Astell&Kern SE180 SEM1(DAP)

  • 音質 9-10/10
    低音域にパンチがあり、高音域の広がりと抜けが良く、解像度が高い。
  • 女性ボーカル 9-10/10
    前に出て分離感が良く、クリアで艶がある。ブレスはやや抑えられる印象。
  • 使い勝手 6/10
    鋭利な筐体ゆえにケースが欲しい。WiFiの掴みが悪く、サブスクリプションサービスでの使用感が良くない。

詳細レビュー

デザインと使い勝手

Astell&Kern SE180 SEM1は鋭利で重厚なデザインが特徴である。手に持つとその重量感とシャープなラインが感じられるが、長時間使用や持ち運びを考えると、専用ケースが必須。電源ボタンの反応は良く、1秒程度の長押しで素早くON/OFFできる点は評価できる。しかし、WiFi接続が不安定であり、サブスクリプションサービス利用時にはもっさりとした動作が目立つ。AK70Mk2以降、操作性に大きな進化が見られないのも気になる点である。AKもWiFiやBluetoothなどの無線機能を省いた、シンプルで音質に特化したDAPを開発すれば、さらに高い評価を得られる可能性があると感じる。

音質

SE180は低音域に力強さがあり、特にパンチが効いている。高音域は広がりが良く、解像度も高い。中高音域に関しては、非常にクリアでリアルな表現ができ、特に女性ボーカルや弦楽器が際立つ。Fiio K9 AKMとの比較では、中高音域はSE180の方が優れていると感じる部分もあるが、全体的に、特に低音域の質感ではK9 AKMに軍配が上がる。これは、ケーブルや電源環境の調整も影響しているかもしれない。とはいえ、DAPとしてSE180は非常に高い音質を誇る。

女性ボーカル

女性ボーカルは前にしっかりと出ており、楽器との分離感が非常に良い。クリアで艶やかだが、ブレス音はやや抑えられている印象である。特にFiio K9 AKMと比較すると、K9 AKMの方がより艶があり、聴きごたえがあると感じる。しかし、SE180でも十分に高品質な表現が可能であり、AKらしい女性ボーカルの良さを感じられる。

総評

デジタルオーディオプレーヤーとして非常に高性能であるが、PCに接続したFiio K9 AKMと比較すると、特に高音質ストリーミング再生においては劣ると感じる部分もある。それでも通常の音源再生において、SE180は音場や解像度ともに優れた性能を発揮し、満足のいく音質が得られる。

タイトルとURLをコピーしました