SHANLING Q2
小さな筐体にQuad DACと3.5mm・4.4mm出力を搭載。
操作性には惜しさが残るものの、音質面では完成度の高い小型DAP。
本製品はメーカーや販売店からの提供品ではありません。
実際に使用し、SHANLING M0 PuraやM3 Plus Limited Editionと比較したうえで率直に記載しています。
SHANLING Q2は、Cirrus Logic製DAC「CS43131」を4基搭載した小型DAPです。
80×50mmのコンパクトな筐体に、3.5mmシングルエンドと4.4mmバランスの両出力を備えています。
外観では、昔のiPodを思わせる円形のタッチホイールが目を引きます。
iPodよりも小さく軽量で、画面はタッチ操作にも対応しています。
一方、試用時点でホイールから操作できるのは音量のみです。
選曲やメニュー操作にはタッチスクリーンを使用するため、
見た目から期待する操作感とは少し異なります。
音の余裕を一段高めたような小型DAPです。
音質と携帯性は魅力的ですが、ホイール操作の機能と国内価格には惜しさを感じます。
良い点
- 小型軽量ながらCS43131を4基搭載
- 3.5mmと4.4mmの両方を使用できる
- 低音域に重みとパンチがある
- 全体のディテールと分離感が高い
- 小さな筐体から想像する以上に余裕のある音
気になる点
- ホイール操作は試用時点では音量調整のみ
- MTouch OSの操作感には改善の余地がある
- 4.4mmはイヤホン使用時に音量調整が難しくなる場合がある
- 国内価格は4万円台後半と手を出しにくい
主な特徴
コンパクトな筐体ながら、4.4mmバランス出力まで備えています。
試用時点では、ホイールは主に音量調整に使用します。
ポケットへ入れて持ち運びやすいサイズです。
AirPlayやDLNAなどに対応しています。
主な仕様
| DAC | Cirrus Logic CS43131×4 |
|---|---|
| OS | SHANLING MTouch OS |
| 画面 | 2.09インチ 320×375 タッチスクリーン |
| ヘッドホン出力 | 3.5mmシングルエンド/4.4mmバランス |
| 最大出力 | 3.5mm:120mW@32Ω 4.4mm:425mW@32Ω |
| 対応音源 | 最大768kHz/32bit PCM、DSD512 |
| USB DAC | 最大384kHz/32bit |
| Bluetooth | Bluetooth 5.2、送受信対応 |
| 対応コーデック | LDAC/aptX HD/aptX/AAC/SBC |
| ストレージ | microSDカード最大2TB |
| バッテリー | 1850mAh |
| 連続再生時間 | 3.5mm:約13.5時間 4.4mm:約12.5時間 |
| サイズ | 約80×50×13.5mm 画面部分を含む厚さ:約14.2mm |
| 重量 | 約83g |
※仕様や対応機能は、販売地域およびファームウェアによって変更される場合があります。
デザインと操作性
Q2は、昔のiPodを思わせる円形ホイールとタッチスクリーンを組み合わせた、
レトロさのあるデザインです。
本体はiPodよりも小さく、83gと軽いため、携帯性は非常に良好です。
ただし、試用時点ではホイール操作で行えるのは音量調整のみです。
曲送りや曲戻し、メニューの移動などは、画面のタッチ操作または本体ボタンで行います。
MTouch OSはAndroid搭載DAPよりもシンプルですが、
タッチ操作の反応や画面遷移を含め、操作感が特別良いとは感じませんでした。
今後のファームウェア更新で、ホイールによる選曲やメニュー操作に対応すれば、
Q2の魅力は大きく増すと思います。
試聴・比較環境
| 比較DAP | SHANLING M0 Pura SHANLING M3 Plus Limited Edition |
|---|---|
| 3.5mm/4.4mm比較 | BOOMDROP XTM-DPA |
| 比較方法 | XTM-DPA付属ケーブルの交換式プラグを使用し、 3.5mmと4.4mmを比較 |
※音質評価は使用するイヤホン、ケーブル、音量、ゲイン設定によって変化します。
音質
基本特性
全体的にはクリアで、音のディテールと分離感を捉えやすい音です。
各帯域が程よく前へ出てくるため、小型DAPながら力不足を感じにくく、
音に余裕を持って鳴らしているように感じます。
低音域
低音域にはしっかりとした重みとパンチがあります。
M0 Puraより力強く、M3 Plus Limited Editionとの比較では、
中低域へ広がるような量感を感じやすい低音です。
女性ボーカル
女性ボーカルはクリアで、僅かに元気よく前へ出ます。
M0 Puraより少し明瞭で、M3 Plus Limited Editionよりも
若々しく勢いのある聴こえ方です。
高音域
高音域は分離感があり、細かな音を追いやすいバランスです。
極端に鋭くするのではなく、程よく近い位置から明瞭に鳴るため、
聴きやすさも確保されています。
ほかのDAPとの比較
SHANLING M0 Pura
基本的な音の傾向は似ていますが、Q2の方がディテールを捉えやすく、
音全体にも少し余裕があります。
低音域はQ2の方が重みとパンチがあり、
女性ボーカルも僅かにクリアです。
高音域は分離感が高く、複数の音が重なった場面でも見通し良く感じます。
Q2は各帯域が程よく前へ出るのに対し、
M0 Puraは女性ボーカルが中心に感じられやすい音です。
Q2はM0 Puraの音を純粋に少しアップグレードしたような印象を受けました。
SHANLING M3 Plus Limited Edition
Q2は低音域の主張がやや強く、中低域へ広がるように鳴ります。
M3 Plus Limited Editionは低音の沈み込みが深く、
よりクリーンでタイトです。
女性ボーカルはQ2の方が元気で、
M3 Plus Limited Editionは少し落ち着いた表現です。
高音域はQ2が近く前傾に感じられるのに対し、
M3 Plus Limited Editionは左右や奥行きへの広がりがあり、
音の分離にも余裕があります。
全体的な完成度はM3 Plus Limited Editionが上ですが、
Q2の小ささで比較的近い音質を得られることには大きな価値があります。
3.5mmと4.4mmの違い
BOOMDROP XTM-DPAと付属の交換式プラグを使用し、
同じイヤホンとケーブルで3.5mm、4.4mmを比較しました。
繊細なボーカル表現
女性ボーカルの細かな表現を捉えやすく、
4.4mmよりも繊細で自然に感じられます。
イヤホン使用時の音量も調整しやすい接続です。
広い音場と高い出力
3.5mmより出力が大きく、音場も広く感じられます。
一方、感度の高いイヤホンでは音量が上がりやすく、
細かな音量調整が難しくなる場合があります。
音場の広さや出力を重視するなら4.4mm、
女性ボーカルの繊細さや扱いやすさを重視するなら3.5mmと、
使用するイヤホンや好みによって選べます。
出力について
Q2の4.4mmバランス出力は最大425mW@32Ωと、
本体サイズを考えると十分に高出力です。
ただし、イヤホンを中心に使用する場合は、
出力が大きいことが必ずしも使いやすさや音質の向上につながるとは限りません。
感度の高いイヤホンでは、音量を一段上げた際の変化が大きく感じられる場合があります。
小型DAPで鳴らしにくい大型ヘッドホンを使用する人は多くないと思われるため、
出力の大きさだけでなく、低音量時の調整しやすさも重視してほしいところです。
総評
SHANLING Q2は、Quad CS43131構成と3.5mm・4.4mmの両出力を
小さな筐体へ収めた、完成度の高い小型DAPです。
M0 Puraに近い音の傾向を持ちながら、
ディテール、低域の力強さ、分離感、音の余裕が一段向上しています。
M0 Puraから音質を少しアップグレードしつつ、
携帯性も維持したい場合には魅力的な選択肢です。
M3 Plus Limited Editionと比較すると、音場の広さや低音の沈み込み、
分離感には差があります。
それでも、Q2のサイズから比較的近い水準の音を得られることは高く評価できます。
惜しいのは、試用時点でホイール操作が音量調整に限られていることです。
ホイールで選曲やメニュー移動まで行えるようになれば、
デザインと操作体験が一致し、より魅力的なDAPになると思います。
音質と携帯性を含めた総合的な出来は良好ですが、
国内価格が4万円台後半であることを考えると、気軽には手を出しにくい価格です。
価格を重視する場合は、海外販売価格やセール時の価格も含めて検討するとよいでしょう。
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本製品はレビュー提供品ではありません。

