概要
今回はNiciHiFi様より、開発中の新ケーブルをご提供いただきました。
本レビューは通常のケーブルレビューとは異なり、ケーブル本体は同一で、
「金メッキプラグ+金メッキPIN」と「銀メッキプラグ+銀メッキPIN」
の比較を目的としています。
導体や構造は同一であり、違いは接点部分のメッキ仕様のみです。そのため音質差は非常に小さいと考えられます。
また、金メッキと銀メッキという名称から受ける先入観の影響も受けやすい比較です。今回の内容は絶対的な評価ではなく、実際に試聴して感じた相対的な違いとしてご覧ください。
比較にはSIVGA QueおよびCRINEAR Referenceを使用し、イヤーピースはELOIT VELVETで統一しています。
なお今回は優劣を付けるレビューではなく、両モデルの特徴を比較することが目的のため、通常の点数評価は行わず相対比較形式でまとめています。
📊 金メッキ版 / 銀メッキ版 相対比較
まずは今回感じた違いを簡潔にまとめた相対比較表です。
| 項目 | 金メッキ版 | 銀メッキ版 |
|---|---|---|
| 低音の厚み | ◎ | ○ |
| 女性ボーカルの艶 | ◎ | ○ |
| ハイトーンの伸び | ○ | ◎ |
| ブレスの明瞭感 | ○ | ◎ |
| 見通しの良さ | ○ | ◎ |
| 開放感 | ○ | ◎ |
| 音の重心の低さ | ◎ | ○ |
| 音の重心の高さ | ○ | ◎ |
| 暖色感 | ◎ | △ |
| 寒色感 | △ | ◎ |
SIVGA Queでの比較
SIVGA Queでは、金メッキ版の方が低音域の重みや響きを感じやすく、わずかにパンチ感もあります。銀メッキ版はややタイトで、比較すると乾いた質感に感じられました。
女性ボーカルは金メッキ版の方が重心低めで、落ち着いた艶を感じやすいです。銀メッキ版はわずかに前に出て、高い音の伸びが綺麗に感じられました。
高音域は銀メッキ版の方がややシャープで、高さ方向への広がりや開放感を感じやすい印象です。
CRINEAR Referenceでの比較
CRINEAR Referenceでも同様の傾向が確認できました。金メッキ版は低音域の重みを感じやすく、銀メッキ版はやや軽めでタイトな印象です。
女性ボーカルは金メッキ版の方が重心低めで落ち着いた印象です。銀メッキ版は高い音がより明瞭に聴こえ、ボーカルの存在感を感じやすくなります。
高音域についても銀メッキ版の方がハッキリと聴こえやすく、音の輪郭や見通しの良さを感じやすい傾向がありました。
音場と重心の違い
今回の比較で最も興味深かったのは、
音場の広さそのものではなく、音場の重心の違いです。
金メッキ版は低音域の厚みや響きによって、音場の重心が下側に感じられます。
全体的に安定感があり、落ち着いた印象です。
銀メッキ版は高音域の伸びや見通しの良さによって、音場の重心が上側に感じられます。
高さ方向の開放感を得やすい印象でした。
総評
音質差自体は非常に小さく、先入観の影響も受けやすい比較です。
ただし今回の比較では、SIVGA QueとCRINEAR Referenceの両方で似た傾向を確認できました。
金メッキ版は暖色寄りで落ち着いた音、銀メッキ版は寒色寄りで明瞭な音という印象です。
主な違いは低音や高音の量ではなく、音の重心や音の見え方にあるように感じました。
女性ボーカルをしっとり艶やかに聴きたいなら金メッキ版。
ハイトーンの伸びや見通しの良さを重視するなら銀メッキ版。
同一ケーブルでメッキ仕様のみを変更した比較としては、
想像以上に興味深い結果でした。
