TANCHJIM OLAⅡ

イヤホン 総合 女性ボーカル 高音 低音 バランス 解像度 音場
TANCHJIM OLAⅡ 10 10 8 9 8 9 9

レビュー環境
ケーブル
付属ケーブル(バランス)
イヤーピース
ELOIT VELVET
DAC/AMP
FIIO K9 AKM

OLA2 注目ポイント

DMT第5世代の10mmダイナミックドライバーに1基のバランスド・アーマチュアを組み合わせたハイブリッドモデル。初代OLAの最大の特徴であった「突出した女性ボーカルの美しさ」をしっかりと受け継ぎながら、優れた基礎スペックを誇ります。徹底して高域の刺激を排除した、クリアで開放的な中高域が魅力の1本です。

サウンド特徴

基本特性

音の強さのバランスは「女性ボーカル > 低音 > 高音」全体的にすっきりとクリアで開放感のある空間表現ですが、音と音の間に独特の空白感を感じる個性もあります。

低音域

適度な重みを伴った、比較的柔らかめの音が前方に出てきます。他機種との比較ではクリーンかつタイトで、しっかりとした沈み込みや主張も感じられる低域です。

女性ボーカル

本機の主役。ぐっと前に定位し、非常にクリアかつ優しく伸びやかに描かれます。艶感があり、ブレスなどの繊細な息遣いも聴き取りやすい素晴らしい仕上がりです。

高音域

ハッキリとは聴こえるものの、角が綺麗に取れた丸みのある音。キラキラ感や金属的な響きは控えめ。主張せず一歩後ろに控える、刺さりのない優しい高域です。

他機種との比較

vs SIVGA Que

OLA2は女性ボーカルがクリアに引き立ち低域には適度なパンチ力があります。
Queは低域がより自然な広がりを伴って深く沈み込み、ボーカルは落ち着きのあるしっとりとした艶感が特徴です。高域もQueの方が解像感が高く金属音がしっかりと響くため、OLA2の「金属音が響かず徹底的に刺激を削った聴き疲れのなさ」が際立ちます。

vs ROSESELSA AURORA Ultra

OLA2は低域がややタイトで重みがあり、女性ボーカルはクリアで伸びやか。高域もスッキリと分離します。全体的に解像感とすっきりと抜ける開放感があるのが特徴です。
AURORA Ultraは全体的に音が近く、低域は豊かな響きを持ち、ボーカルは重心が低め、高域は近距離で優しく柔らかに鳴るアプローチを取っています。

vs KiwiEars Chorus

OLA2は低域がクリーンかつタイトに沈み込み、高域は伸びこそないものの分離感に優れマイルドに整えられています。
Chorusは低域が全体的に丸みを帯びた質感を持ち、高域はOLA2よりも上へと綺麗に伸び、明瞭な主張を感じさせるチューニングになっています。

vs Juzear Nebura

OLA2は低域のタイトな主張と深みのある沈み込みが心地よく、女性ボーカルもよりクリアで瑞々しい艶感を前に出して聴かせます。
Neburaは低域がやや丸みを帯びており、ボーカルもOLA2に比べるとやや一歩引いた落ち着いたトーンです。ただし高域の表現に関しては、Neburaの方が上方向への綺麗な伸びやかさを維持しています。

リケーブル効果(ivipQ-A22)

標準の構成から「ivipQ-A22」へとリケーブルを施すことで、デフォルトでやや大人しかった高音域側に確かな変化を引き出すことが可能です。

  • 低音域:わずかにタイトに引き締まり、定位としては相対的に少し後ろへと下がります。
  • 女性ボーカル:音の分離感が一段と向上。ボーカル自体の重心がやや上へとシフトします。
  • 高音域:輪郭が少しシャープになり、おとなしかった上方向への伸びが僅かに強調されるように。弱点だった高域のレンジ感を多少補うような変化が得られます。

総評

👍 良い点

  • 初代譲りの圧倒的な実力を持つ、クリアで美しく伸びる極上の女性ボーカル表現
  • ブレスなどの微細なニュアンスも綺麗に拾い上げる優れた解像感
  • 高域の角を完全に丸め、金属音の刺さりをが少ないため、聴き疲れしにくい
  • 低価格帯ながら開放感のある広い音場空間と優れた分離性能

👎 気になる点

  • 高域のキラキラ感が控えめ。金属音の響きや鋭いキレを求める曲には不向き
  • 「音と音の間に空白があるような質感」があり、人によっては少し不自然に感じる部分も
  • 筐体が独特の形状かつ小さく軽いため、しっかりとフィットするイヤーピースの選定が必須

💡 総括:どんな人におすすめ?

「とにかく女性ボーカルの歌声を最優先で、気持ちよくクリアに堪能したい」という方に、満点を付けられるほど狙い澄まされた女性ボーカル特化機です。高域の鋭い煌めきやキレこそ削ぎ落とされているものの、そのおかげで刺さりや聴き疲れとは一切無縁の、優しいながらも見通しの良いクリアサウンドを実現しています。

アニソンやポップス、歌い手系の女性ボーカル曲を、耳への刺激を気にせず何時間でも浸っていたいという用途にはこれ以上ない選択肢。もし少しだけ高域の輪郭や伸びを足したい場合は、リケーブルで自分好みに少しシャープに寄せるカスタムの余地もあります。イヤーピースの密閉度だけしっかり確保した上で、この突き抜けたボーカル特化サウンドをお楽しみください。

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