| イヤホン | 総合 | 女性ボーカル | 高音 | 低音 | バランス | 解像度 | 音場 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| MOONDROP CHU3 | 7 | 7 | 7 | 7 | 8 | 8 | 6 |
レビュー環境
サウンド特徴
基本特性
低域から高域まで大きな偏りがなく、聴きやすさを重視したサウンドです。際立った個性は少ないものの、刺激が抑えられており、幅広い楽曲を無理なく楽しめます。
低音域
量感はやや軽めですが、低い位置までしっかりと沈み込む低域です。過度な厚みや強いパンチを押し出すタイプではなく、全体のバランスを崩さない範囲で存在感を出しています。
女性ボーカル
女性ボーカルは周囲の音からの分離が良く、刺さりを抑えた聴きやすい表現です。強く前へ押し出したり、濃い艶を加えたりするタイプではありませんが、歌声を自然に追うことができます。
高音域
高域はあまり前へ出ませんが、輪郭はハッキリとしており、細かなディテールも捉えやすい音です。刺激や鋭さを強調するのではなく、全体のバランスを保ちながら必要な情報量を確保しています。
他機種との比較
vs MOONDROP CHU2
CHU3の低域はやや厚みがあり、低い位置まで沈み込む音です。女性ボーカルはCHU2の方が前へ出て主張があり、艶感も感じられます。高域はCHU3の方がやや厚みがあり、細かなディテールを捉えやすい印象です。CHU2は全体的に重心が高く、高域寄りの軽い音ですが、CHU3は低域と高域のバランスが良く、刺激も抑えられています。聴き応えはCHU2、長時間の聴きやすさはCHU3が優れています。
vs ooopusX Op.22(バランスモード)
CHU3の低域はやや軽めながら、しっかりとした沈み込みがあります。女性ボーカルはCHU3がややクリアで素直な表現なのに対し、Op.22は歌声の主張が強く、艶感も豊かです。高域はCHU3がややシャープでクリアですが、上方向への伸びはOp.22の方が感じやすくなっています。
vs DUNU Titan X
低域はTitan Xの方が重みを感じやすく、CHU3は軽めのバランスです。女性ボーカルはCHU3の方がわずかにクリアですが、Titan Xは分離がわずかに良く、より聴きやすく感じられます。高域はCHU3がややシャープでクリアなのに対し、Titan Xは分離に優れ、音場も広く感じられます。
リケーブル効果(NiciHiFi-39)
付属ケーブルからNiciHiFi-39のアンバランスケーブルへ変更すると、全体的に比較的大きな音質変化を感じられました。
- 低音域:よりクリーンでタイトになり、適度な重みも加わります。
- 女性ボーカル:クリアさが増してやや前へ出ます。歌声に艶感も加わります。
- 高音域:さらにクリアになり、音の分離も感じやすくなります。
CHU3はリケーブルによる変化を感じ取りやすく、標準状態で物足りなかったボーカルの存在感や高域の分離を補うことができます。MOONDROP製品は付属ケーブルから交換した方がイヤホン本体の魅力を引き出しやすいように感じます。
総評
- 低域と高域のバランスが良く、大きな癖がない
- 低域が軽めながら、しっかりと沈み込む
- 女性ボーカルの分離が良く、刺激も少ない
- 高域の主張を抑えながら、ディテールは捉えやすい
- リケーブルによる音質変化を感じやすい
- 音場が狭く、開放的な広がりは控えめ
- 全体のバランスは良いものの、際立った特徴は少ない
- 女性ボーカルの前傾感や艶は控えめ
- 比較的音量を取りにくい
MOONDROP CHU3は、低域から高域までのバランスが良く、強い刺激を抑えた聴きやすいイヤホンです。前作CHU2のような高域寄りの軽快さや女性ボーカルの強い主張は控えめになり、より幅広い楽曲へ合わせやすい音に整えられています。
低域は量感こそ軽めですが、低い位置までしっかりと沈み込みます。出力に余裕のある再生機器と組み合わせることで、この沈み込みが分かりやすくなり、女性ボーカルや高域との分離も良く感じられます。
音場が狭く、際立った特徴も少ないため、強い個性や開放的な広がりを求める方には物足りない可能性があります。一方で、大きな癖がなく聴き疲れしにくいため、万人におすすめしやすいバランスです。
