SHANLING EC Zero RED Version
EC Playより広く、細部まで見通しやすい。
EC Zero Tの基本設計を受け継いだ、AKM DAC搭載ポータブルCDプレイヤー。
本製品はAliExpress様よりレビュー用にご提供いただきました。
内容や評価についての指定はなく、EC Play、EC Zero T、FIIO K9 AKMと比較したうえで率直に記載しています。
今回レビューするのは、SHANLING EC Zeroのレッドカラーモデルです。基本的な音響回路や機能は通常カラーと共通しており、AK4493S DACとSGM8262-2をデュアル構成で搭載しています。
SHANLING EC Zeroは、上位モデルであるEC Zero Tの筐体構造やCD再生システム、入出力機能を受け継ぎながら、DACにAKM AK4493Sを採用したポータブルCDプレイヤーです。
アンプ部には、EC Playにも採用されているSGM8262-2をデュアル構成で搭載。EC Playから聴き替えると、音のスケール感と分離感が大きくなり、女性ボーカルも僅かにクリアになります。
一方、EC Zero Tと比較すると、音場の余裕や解像感、ボーカルの透明感は上位モデルに及びません。EC Play、EC Zero、EC Zero Tと価格が上がるにつれて、音質も分かりやすく向上していく関係に感じました。
QUICK VERDICTEC Playの気軽さから一段上の音質を求めつつ、EC Zero Tまでは必要ない方に適した中間モデル。音のスケール感と分離が向上し、単体で聴けば十分に高音質です。CD再生、USB DAC、Bluetooth送信まで一台でこなせる完成度の高いポータブルCDプレイヤーです。
良い点
- EC Playより音のスケール感が大きい
- 各音の分離が良く、全体を見通しやすい
- 女性ボーカルが僅かにクリア
- 3.5mmと4.4mmの両方に対応
- USB DACやBluetooth送信にも対応
- 外部電源接続時は最大836mWの出力
気になる点
- 解像感や空間の余裕はEC Zero Tが上
- 約576gあり、気軽に持ち歩くには重い
- スライド式音量操作は誤操作に注意が必要
- 据え置きDACと比べると艶やスケール感に差がある
主な特徴・仕様
EC Zero Tと同じサイズの筐体を採用し、CD再生のほか、USB DAC、Bluetooth送信、ライン出力、同軸・光デジタル出力、CDリッピングなどに対応しています。
| DAC | AKM AK4493S |
|---|---|
| アンプ | SGM8262-2×2 |
| デジタルフィルター | 5種類 |
| ヘッドホン出力 | 3.5mmシングルエンド 4.4mmバランス |
| 4.4mm最大出力 | 525mW@32Ω(バッテリー駆動) 836mW@32Ω(外部電源接続時) |
| USB DAC | 最大PCM 768kHz/32bit、DSD512 |
| Bluetooth | Bluetooth 5.3 aptX Adaptive/aptX/SBC送信 |
| バッテリー | 5,500mAh 有線再生:約10時間 Bluetooth送信:約18.5時間 |
| 画面 | 1.68インチ LCD |
| サイズ | 158×150×28.6mm |
| 重量 | 約575.8g |
外観・サイズ・操作性
筐体の基本構造はEC Zero Tと共通しており、アルミニウム製ボディと天面のガラスパネル、磁力でCDを固定するスタビライザーを採用しています。
RED Versionは本体全体を鮮やかな赤でまとめたカラーモデルです。一般的な黒やシルバーのオーディオ機器とは異なる存在感があり、EC Zeroシリーズの機械的なデザインともよく合っています。
本体サイズはEC Zero Tとほぼ同じですが、真空管やR2R回路を搭載しないため、重量はEC Zero Tの約669gに対して約575.8gです。それでも頻繁に持ち歩くポータブルプレイヤーというより、室内で置き場所を変えながら使える据え置き寄りの製品です。
再生や曲送りなどは物理ボタンで操作でき、各種設定は1.68インチの画面で確認できます。音量はEC Zero Tと同様のスライド式なので、イヤホン使用時は再生前に音量を確認し、移動時にはキーロックを使った方が安心です。
CDプレイヤー以外の機能
USB DACモードスマートフォンやPCと接続し、最大PCM 768kHz/32bit、DSD512対応のUSB DACとして使用できます。
Bluetooth送信CDやUSB DACの音を、Bluetoothイヤホンやワイヤレスヘッドホンへ送信できます。
外部電源モードEXT DCモードでは、4.4mmバランス出力が最大836mW@32Ωまで向上します。
CDリッピングFAT32形式のUSBメモリーを接続し、CD音源をWAV形式で保存できます。
比較環境
| レビュー機 | SHANLING EC Zero RED Version |
|---|---|
| 比較機 | SHANLING EC Play SHANLING×水月雨 Crossover EC Zero T FIIO K9 AKM(PC接続) |
| 主な確認項目 | 音のスケール感、分離感、解像感、女性ボーカル |
※音質の印象は、使用するイヤホン・ヘッドホン、接続方法、音源、音量によって変化します。
音質
基本特性
特定の音域を強く目立たせるというより、全体のスケール感と分離をEC Playから一段引き上げた音です。
じっくり上位機種と比較すると差はありますが、EC Zero単体で聴いている限り、音質に大きな不満は感じにくい完成度です。
スケール感・分離
EC Playと比較すると、音の広がりと各パートの間隔に余裕が生まれます。音数が増えても固まりにくく、それぞれの音を追いやすくなります。
EC Zero Tほど立体的で大きな空間ではありませんが、EC Playからのステップアップとしては分かりやすい変化です。
女性ボーカル
女性ボーカルはEC Playより僅かにクリアで、周囲の音から声の輪郭を捉えやすくなります。
EC Zero Tと比較すると、透明感や細かな表情は上位モデルが一歩上です。FIIO K9 AKMと比べても、声の艶や空間へ広がる余韻には差を感じます。
解像感・聴きやすさ
細かな音の見通しはEC Playより良く、楽器やボーカルの重なりを整理して聴きやすい音です。
EC Zero Tのように細部を強く意識させるほどではありませんが、音源を分析するより音楽を自然に楽しむ用途では十分な解像感があります。
ほかの機器との比較
SHANLING EC Play
EC Playと比較すると、EC Zeroは音のスケール感と分離感が明確に向上します。
女性ボーカルも僅かにクリアになり、声と伴奏の境界を捉えやすくなります。音が密集する楽曲でも各パートが固まりにくく、全体に余裕を感じます。
小型で操作が簡単なことを重視するならEC Play、音質を一段引き上げたい場合はEC Zeroという選び分けになります。
SHANLING×水月雨 Crossover EC Zero T
EC Zero Tと比較すると、音のスケール感と解像感は上位モデルが明確に上です。
EC Zero Tの方が空間を立体的に表現しやすく、女性ボーカルも僅かにクリアです。声の細かな変化や余韻まで追いたい場合は、EC Zero Tに価格差なりの優位性があります。
一方、EC Zeroも基本的な音質は十分に良く、真空管やR2R DACに魅力を感じない場合には、より現実的な選択肢です。
FIIO K9 AKM
PCへ接続したFIIO K9 AKMと比較すると、女性ボーカルの艶、音のスケール感、空間の余裕は据え置き環境が上です。
電源や筐体サイズが異なるため、EC Zeroにとっては厳しい比較ですが、据え置きDACとの違いを確認すると音の密度や余韻に差を感じます。
ただし、短時間の比較ではなくEC Zero単体でCDを楽しむ分には、音質は問題なく良いと思える水準です。
EC Play・EC Zero・EC Zero Tの選び分け
EC Play小型・軽量で、簡単にCDを楽しみたい方向け。音質よりも気軽さと扱いやすさを重視する場合に適しています。
EC ZeroEC Playから音のスケール感と分離を高めた中間モデル。機能と音質、価格のバランスを重視する場合に選びやすい一台です。
EC Zero TR2R DACと真空管を搭載。音場、解像感、ボーカルの表現力をさらに重視する方向けです。
どんな方に向いているか
- EC Playより一段上の音質でCDを楽しみたい方
- EC Zero Tの価格や機能が少し過剰に感じる方
- CDプレイヤーとUSB DACを一台にまとめたい方
- 4.4mmバランス接続を使用したい方
- BluetoothイヤホンでもCDを聴きたい方
- 一般的な黒やシルバーとは違うカラーを選びたい方
総評
SHANLING EC Zero RED Versionは、EC Zero Tの筐体と多機能性を受け継ぎながら、AK4493S DACとデュアルSGM8262-2を採用したポータブルCDプレイヤーです。
EC Playと比較すると、音のスケール感と分離感が向上し、女性ボーカルも僅かにクリアになります。EC Playからの音質的なステップアップは、比較的分かりやすく感じました。
一方、EC Zero Tと比較すると、音場の余裕や解像感、女性ボーカルの透明感は上位モデルが一歩上です。EC Play、EC Zero、EC Zero Tと、価格に沿って音質も段階的に良くなっていく関係です。
FIIO K9 AKMのような据え置き環境とじっくり比較すれば、ボーカルの艶や音のスケール感には差があります。ただし、EC Zero単体でCDを再生している限り、音質は十分に良いと思える水準です。
EC Playの気軽さでは物足りないものの、EC Zero Tほどの音質や真空管機能までは求めない方にとって、機能・音質・価格のバランスが取りやすい一台です。
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